こんにちは。ふるまち(@furumachiLife)です。
今日はアイデア出しで行き詰まった時に読んだ本『マネタイズ戦略〜顧客価値提案にイノベーションを起こす新しい発想』(ダイヤモンド社)をご紹介します。
- 企画をする
- 独立を考えている
- プロジェクトリーダー、チームリーダー
- 現在のビジネスに行き詰まっている経営者、個人事業主
新規ビジネスのアイデア出して
無茶ぶりはよせ
ネタっぽいですが、働いているとこんな無茶ぶりされること、たまにありますよね…。
最近だとパニックを起こした上司から「コロナ禍での新しいビジネス案を出せ」と言われたり。
この本は
新しいビジネスって…どこから考えたものか…
と悩んでいたときに助けになってくれました。大小問わず自分でビジネスをされてる方、企画に行き詰まる皆さんにおすすめの1冊です。
どんな本?
ビジネスでどのように利益を得るか、マネタイズに特化したマーケティング書です。
企業はさまざまなビジネスモデルで利益を得ています。
ビジネスモデルとは「顧客を満足させながら、企業が利益を得る仕組み」である。
顧客を満足させる価値提案をする、その対価として利益を得る。さて、新しいビジネスを考えろ、と言われた時、どこから考えますか?
顧客に提案する新しい商品、サービスから考える方が多いと思います。
もちろん私もそうだったよ
それをマネタイズ側から考えてみると、新しい世界が見えるかも、そんな視点を与えてくれるのが本書です。
マネタイズに特化した書籍は他にないんじゃないかな
著者について
著者は兵庫県立大学経営学部の教授、川上 昌直 先生です。
大学の先生と現場のビジネスはあまり結びつかないかもしれません。川上先生は
実際の企業で「臨床」まで行う実践派の経営学者
とされていて、大学だけでなく業種問わずさまざまな企業で実際に経営、マーケティングにかかわっているそうです。
私も編集者として働いていますが、
- 学問の専門家=理論は詳しいけど現場を知らない
- 現場のプロ=実例は詳しいが理論が心配
ということがたまにあります。川上先生のような方が著者として理想的とも言えますね。
上の例はたまにだよ!たまに!
同じ著者の「ビジネスモデル思考法」(ダイヤモンド社)も読んだことがありますが、わかりやくて良い本でした。ビジネスモデルってなに?からその考え方まで書かれています。
内容
国内外の8つの企業を取り上げ、それぞれの価値提案とマネタイズについて紹介されています。解説書というよりは事例集といったところです。
8つの企業のうち、出版社勤務の私に馴染み深い2つの事例についてみていきましょう。
晋遊舎(LDK、MONOQLO、家電批評)
私の一番好きな雑誌、『MONOQLO』を出版している晋遊舎。
2007年に「家電批評 monoqlo」が創刊。好評を博し、家電の「家電批評」、それ以外のモノを扱う「MONOQLO」、暮らしにまつわるモノを扱う「LDK」へと分かれていきました。
私が自宅で使っているデスクもMONOQLOで
紹介されていたものだよ
従来の雑誌のマネタイズ
雑誌はどのようにして利益を得ているかご存知でしょうか?フルカラーできれいな紙面、それでいて1,000円を切るような値段で販売できる理由…。
よく読む方はお気づきかもしれません。大量の広告が入っていますよね。雑誌の販売金額だけではなく、広告収入によってマネタイズしています。
弊社の雑誌も営業さんががんばって広告取りにいってるよ
晋遊舎のマネタイズ
これまでも批評誌はありました。しかし、広告は掲載されているわけで、スポンサーに配慮しているのでは…、という気持ちは持ってしまいますよね。
晋遊舎は広告一切なし、実際に商品を購入し徹底比較して商品情報を届けているのです。
私はほぼ毎月読んでいますが、「ガッカリ商品」なんかも紹介されていて中立な立場での紹介に好感をもっています。
思ったことをストレートに届けられるのは
ブログ記事に近いかもね
ではお金はどこから?については、雑誌の実売と好評だった特集を再編集し出版するムック本から補っています。
ムック本なら「商品を購入してレビューする」といったコストもかからず、そして読者も別の角度から楽しめる、効率の良い収益の仕組みですね。
これまでの雑誌にはできなかった「はっきりものをいう」をマネタイズの変更により実現した例でした。
アドビシステムズ
マネタイズの変化
続いては誰もが知るアドビシステムズ。私も会社ではIllustrator、InDesign、Photoshopにお世話になっています。Acrobat Readerは誰でも使ったことがあるのではないでしょうか。
編集者が直接操作する機会は少ないけど
本の図はIllustrator
本文はInDesign
写真はPhotoshop
で作ってるよ
私は入社したころに使っていたのは「CS6」など「CS」とついたバージョン。ある時から「CC2017」「CC2020」と「CC」に表記がかわっていることに気がつきました。
ソフトに興味もってなくて反省…
理由を聞くと、買い切りの商品(CS:クリエイティブ・スイート)からメンバーになって月額料金を払うことで使用できるサービス(CC:クリエイティブ・クラウド)に完全移行していたのです。サブスクリプションですね。
変更した理由
理由としては
- 経済危機への対策のため
- 収益変動が激しい買い切りから平準化され予測がしやすいサブスクへ
- 海賊版への対策
- ユーザーのニーズへの柔軟な対応
などがあげられていました。売上は好調だったにもかかわらず、完全移行に踏み切る舵取りはすごいとしか言いようがありません。
と経営やマーケティング的には素晴らしいのですが、個人的にはCC移行により若干の不都合が…。
CCはもともとCS6から最新バージョンまですべて使える規約でした。
しかし…、2019年、突然の規約変更で最新2バージョンのみしかダウンロードできなくなってしまいました。
最新バージョンにはバグも多かったりで結構困っていたりもします。気長に付き合っていくしかなさそうですね。
まとめ
マネタイズを変えることで、革新的なアイデアにつながることが実感できますね。そしてマネタイズにあわせて、価値提案も最適化されています。
例えばアドビシステムズの場合は、もともとの「有用なデザインソフトの提供」が「常に最新のデザインツールが使い放題」へとユーザーにとってより良い価値提案につながっています。
他にも
- テスラ
- ピーターパン
- ネットフリックス
- デアゴスティーニ
- マーベル
- 42
など名だたる企業の革新的なマネタイズと価値提案が紹介されていますので、あなたのビジネスへのヒントになってくれるでしょう。それでは!
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